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ケメコが新たな嫁になりました。
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ナルシストと歌
2008 / 02 / 17 ( Sun )
※読む前にいくつか。この作品途中に出てくる短歌は私が考えた訳ではありません。一年ほど前にエセルさんから聞いたのを使ってます。さすがにこの事はこの作品の品評開始前に伝えております。しかも短歌引用もテキトーに書いたのでどっか間違えてるかもしれません。後、《 》←この中の文字は前の漢字のふりがなです。元データが欲しい人はメールなりで連絡下さい。以上注意書き(?)終わり。
――二月十三日、晩。
照義はいつもそうしているように、今日も某巨大掲示板の中でなじみのあるスレを見ていた。
この日、某巨大掲示板の殆どのスレがそうであったように照義が今見ているスレも翌日のイベントが話題に上っていた。
バレンタインデー。
女の子が日頃から想いを寄せている男子――最近では女子同士も少なくはないが――にチョコレートを渡して想いを伝える……そのようなイベント内容なので大部分の男子は関係なかったりする。
あと、想いを伝えるモノではなく、日頃お世話になっている感謝の気持ちを示した義理と言う種類のものもあるが、こちらもある程度の人気がなければたくさんはもらえないだろう。
さて、照義が今覘《のぞ》いているスレに書き込みをしている人々だが、どうやら前者どころか後者の方にも関係ないというか、関われないというか……そういう人間が多いようだ。

明日の学校行きたくないよぉ!
明日なんて来なければいいのに!

拒絶している者。

明日って何かあったっけ?
明日? 平日だろ?

すでに現実逃避している者。

チョコ欲しいよぉぉぉぉぉぉぉ!
もう誰でもいいからくれよ!

やたら執着する者。

――様々な書き込みがあったわけだが、照義はそれをみて嗤《わら》っていた。
「こいつらったら見苦しいぜ」
 かく言う照義は彼らと同類――いや、彼らのさらに上位をいく者であるのだったりする。
そう、話題に上っている翌日のバレンタインデーでは生きてきた約十七年間、想いのこめられたチョコどころか感謝の意の義理だったり諸々のお菓子類を、家族を含む全宇宙の女の子の誰からも貰ったことがない。
当然のこと、彼女も生きているのと同じ時間分いない。
だというのにこの「俺はお前達のような雑種とは違う」とばかりの上から目線な態度は何なのだろう?
「フン、俺はもう例年の当日だけお洒落さんではないのだっ! なんと一週間も前から学校へ行くのに身だしなみを整えるという超進化をしたのだ! わははははは!」
 ……どうやら先の言葉が自信の源のようだ。
正直言って十七年間言わばモテなかった男が一週間お洒落しただけで誰かに好かれるのなら大部分は苦労しないと思うのだが……。
しかし、照義の頭の中にそんな考えは微塵もなく、翌日女子に囲まれている妄想を順調に膨らませていた。
涎を口から垂らすくらいに口元を緩めながら育てていた妄想だが、無意識にクリックして押した更新ボタンによってブラウザが切り替わるのを視界に捉えると先ほどの妄想は綺麗さっぱり脳内から消え、興味は新しく増えた書き込みへと移った。
「んあ? なんだこれ」
 一つの書き込みに多くの人が反応があったので照義もその書き込みを見てみた。


こんな面白短歌見つけた。

義理だよと
チョコをくれる
いもうとよ
きみが義理なら
どれほどいいか


照義は唸った。
唸って、唸って……
「それはないな」
 否定した。
照義にも妹がいた。
妹はいたが……生まれてから今まで一度も可愛いとは思ったことがない。それどころか家族愛もあるのかと聞かれたらハテナマークが頭上に飛び交う程度の好き……はっきりいって嫌いだった。
「そもそも妹などを恋愛対象にせねばならんほど切羽詰ったような男だからそうなるのだ! 選択肢がよりどりみどりな俺にそのような事態が起きるものか! わははははは!」
 すでにモテモテになったつもりでいる照義は例の短歌の書き込みに同意や憧れを述べている者達を先と同じく、自信満々な高笑いで嗤い飛ばした。
そんなバカな笑い声だけが響いていた室内に突然、激しく扉の開く音が高笑いをかき消して響いた。
「おい! さっきからうっせーぞバカ兄貴! さっさと寝やがれ!」
 扉を激しく開けた犯人は例の妹だった。
「返事は?」
「……はい」
本来、このような場面だと「お前の方がうるさい!」とか言って兄弟喧嘩が始まったり、笑って謝ってごまかしたりするような場面だろうけど、照義が妹にした返事は弱弱しいものだった。
つまりそういう力関係なのだ。
そんな照義の弱弱しい返事を聞くと満足したのか、扉を閉めて妹は出て行った。
いつもならこんな事があったら二時間は一人で愚痴をブツブツ呟く照義だが、今日は翌日の自分を思い浮かべると「さっさと寝ろ!」という妹の言葉に反感どころか賛成意見が湧いて出てきた。
「んじゃあ寝るか♪」
 こうして照義は布団に入り、眠りに落ちるまで終始顔をニヤニヤさせていた。




――二月十四日当日。
朝は自分で学校まで通うようになってから一番早い時間に家を出た。
……とは言っても普通に人が通うような時間、一番人が多い時間に登校できる程度の時間だったのだが、それでも家を出る時は母親と妹に目を丸くされた。
それだけ照義の日常は遅刻との戦いの日々だということだ。
そんな日々から抜け出してこの時間に登校しているのは勿論チョコ目当てであったりする。
どうにも人の多い時間に登校して、お目当てとなっている自分を見つけた女の子から貰おうという作戦らしい。
「今年の俺に慢心なし! ふははははは!」
 照義は井戸端会議しているオバちゃん達にヒソヒソ言われる程度に怪しい高笑いをしながら登校した。

照義が高笑いに疲れた頃、ふと目の前を見るとそこにはもう学校があった。
「ふぅ、もしかして人が多いと恥ずかしくて渡せなかったのかな? 失敗失敗」
 それ以前に不気味すぎて近づけなかった事に照義は気づく事なく、次なるチョコレート期待ポイントの下駄箱に向かった。

「…………しまった」
 下駄箱に着いた照義は固まっていた。
「そういえば……無理だったな……」
 漫画やアニメのバレンタインデーネタでよく見る、下駄箱開けたらチョコとラヴレターがドサーってのがイメージとして強く残りすぎていたのか、靴盗難防止用に生徒の殆どがつけている南京錠――もちろん自分もつけている――の事を照義はすっかり忘れていた。
「……ははは、うっかりうっかり」
 これでもまだ希望に満ち溢れている照義は、またしても大きな期待ポイントでチョコを貰い損ねた事も気にせずに教室に歩みを進めた。

「うぃーす」
 照義は教室のドアを開け、朝の挨拶をした。
「…………」
 照義が教室に入った時、教室には数人の女子がいたが、照義の挨拶に反応を示す者はなく、皆それぞれのお喋りに夢中のようだった。
「……ふっ、照れやがって」
 それでも照義の”今日の俺はモテモテ”ヴィジョンが乱れる事はなく、格好をつけた薄ら笑いをうかべたまま自分の席へと向かった。
「よっこらせっくす」
 自分の席に座り、通学用に使っている鞄を机に置くと照義は薄ら笑いをニヤケ顔に変えて一時停止した。
そう、漫画やアニメでは下駄箱と並んでベタとも言えるチョコゲットポイント「机の中」の確認だ。
いつもなら教科書やノート類が全部机の中に置きっ放しの置勉状態でチョコなんて入る隙間もないが、昨日は今日のために机の中の物を全部持って帰り、スペースを作っておいた。おかげで今日は必要最低限の分しか持ってきてないのにいつもの数倍重くなってしまっている。
だが、やはり今のこの男にそんな事は関係なかった。
「さぁ行くぞ、無限の彼方へ!」
 無駄にテンションを上げ、照義はおもむろに手を机の中に入れた。
むにゅ。
「アールデンテーーー!!」
 照義は不意の感触に声を上げた。
その声を聞いて怯えたり不審がったりしている目で見てくる女子達に照義は自分の中で精一杯男前な声で笑って誤魔化した。
女子達の視線が自分から離れると、照義は机の中で――ファサファサした、むにゅむにゅした、モフモフした、そんな感じの――斬新な感触がした箱の正体を確認するために机の中を覗き込んだ。
「ニャー!」
「ミャーーーー!!!」
 どちらがどちらともつかない叫び声が上がると、何かが照義の顔を一撃引っ掻いて机の中から飛び出して逃げていった。
「…………なんでネコがおるねん」
 皆さんお察しの通り、ネコが去った後の照義の机の中にはチョコも何もなく、ただネコがいた場所に少し温もりが残っていただけだった。
ぬぅ、チョコがないのはいつも遅刻ギリギリに来てるのに早く来すぎたせいなのか……。
照義にとっては何故自分の机の中に猫がいたのかよりも、何故机の中にチョコが入っていないかのほうが重要なようで、速くもそう思考をめぐらせていた。
「とりあえず……保健室行くか……」
 休み時間に下校時。照義はまだまだチャンスはたくさんあると強く信じ、猫に引っ掻かれた右頬を押さえながら保健室に行く事にした。

「――あっ」
時は無常なり。本当にあっと言う間に過ぎ、気づけば照義は下校の終着点、自宅の玄関前。
休み時間や下校時までの出来事は語るまでもない。
「……あれぇ?」
こうして今年も収穫「0」の照義は玄関前で立ち尽くしていた。
「……なんでだ…………なんでなんだーッッ! 今年は一週間前からお洒落したし普通の時間に登校したし授業でもあてられたらちゃんと答えたじゃないかーッッ! なのになんでだーッッ!」
 脳内ではモテモテ間違いなしの予定だったのに、女子に囲まれるどころか女子に口さえ聞いてもらえてない一日を思い出して照義はおおいに嘆いていた。
「おでもチョゴ欲じいよぉ~」
 照義は顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃに濡らし、ついさっき、下校中までの余裕しゃくしゃくの彼とはまったく別人になっていた。
そんな時に別の学校の制服を着た同年代くらいの女の子が自分の近くを通り過ぎようとしているのを見つけると、照義はその女の子の前に素早く回り、土下座をしだした。
「お願いです! チョコ下さい!?」
「えっ?! えぇっ?! ちょっと! いきなりそんな事言われても……」
「別に本命じゃなくていいんです! 義理でいいんですー!!!」
「今日はもう持ってないんですけど……すいません……」
 女の子が丁寧に断って去ろうとしたが、照義は女の子の足にしがみついてそれを止めた。
「そんな事言わないでーー」
「きゃあ! ちょ、ちょっと!!」
 女の子は気が弱いのか、しがみつく照義を無理に振りほどこうとはせずにオロオロしていた。
「コラッ! お前何やってる!!」
 そんな時、ご都合的に通りがかったお巡りさんが照義を抑えた。
「大丈夫かい、お譲ちゃん」
「あ、はい。特に何をされたという訳ではありませんし……」
「ふえぇ~チョゴ欲じいよー」
「情けない奴だな……とりあえず話聞くからこっち来い」
 こうして照義は近くの交番に引っ張られていった。
 



 結局あの後、女の子と照義から事情を聞いたお巡りさんに三十分程注意や説教……というより慰められた照義だったが、家に帰ってから身柄を引き取りに来た時に事情を聞いた母親に二時間ほどこっぴどく叱られた。
「――ふぅ」
 叱られた事よりも、相当自信があったのに全くチョコが貰えなかった事がショックで照義は無気力にベットに横たわっていた。
何もヤル気が起こらないのでこのまま寝てしまおうかと思っていたら、部屋にノックの音が響いた。
「…………どうぞ」
 照義は気分そのまま、面倒臭そうに返事した。
「よぅ、兄貴」
 入ってきた人物を妹と確認したら、いつもなら蹴破るような勢いでそのまま入ってくるのに、ノックなんて珍しいなと、照義は思った。
「なんだ…?」
 面倒なので照義は寝転んだまま返事した。
「お前、人と話時くらい体起こせよ」
 そう言われると照義はのそのそと、上半身を起こした。
「でさ、兄貴ってば通りすがりの見ず知らずの女の子にチョコを強要してお巡りさんに捕まったんだろ? バカだなぁ」
「……そうだな」
 照義はあからさまにダルそうに答えた。
「そんな事しなくても今年は用意してやってたのに……」
「……?」
 照義が、なんだコイツ、柄にも無く珍しくもじもじしやがって。と、思っていたら妹は突然、綺麗に包装された小さな箱を渡してきた。
「ほら! これやるよ……」
「あぁ、ありがとう……」
 箱の中身は聞かなくても理解できた。
「あ、い、言っておくけど義理なんだからな!」
「え? あ、あぁ。そりゃそうだよな」
「じゃ、じゃあもう寝るから……」
 そう言うと妹は、素早く回れ右をして、スタコラサッサと扉の方へと駆けて行った。
「あぁ、おやすみ……」
 それを見て何かが伝染したのか、照義は顔を赤くして俯いて夜の挨拶をした。
「なぁ、兄貴」
 妹が扉から出て部屋の扉を締め切る少し前、少し隙間を開けた状態で照義に話しかけた。
「ん?」
「あのさ…………いつも宿題見てくれたり漫画貸してくれたりとか……ありがとな……」
「え」
「じゃあおやすみっ!」
 照義が素っ頓狂な返事(?)を返したのが聞こえたのか微妙のタイミングで扉を閉め、妹は去っていった。
照義はそんな妹の去った扉を呆然と見つめながら前日見た短歌を思い出していた。
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テーマ:小説・詩 - ジャンル:ブログ

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<<じゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお | ホーム | あー、もう読み返して誤字探す体力も残ってねー・・・ってこれじゃあしゃかの日記の文体みたいじゃねーかよ!>>
コメント
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短歌ワロタw
俺にも妹はいてるが、さすがにこういうふうに考えた事はないぞw
僕がもしまったく同じ内容で書いたら、おそらく「妹」は「姉」に変わっていたであろう。

バレンタイン前日のリアル感があったぜ。
小学校の頃を思い出した…。そんな淡い内容の話ではないけれどw


ところどころ文頭にスペースがないのは仕様ですか?w
by: しょーへい * 2008/02/17 01:50 * URL [ 編集] | page top↑
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義理チだよと(ry
そういえばそんな発言をしたなぁww

その川柳とも短歌ともつかない文章で内容とオチは読めるので
端折った放課後までのネタを増やせば、最後の有り難味具合が増すんじゃないかと

日記すらまともに書けない素人の意見でスマン
by: ぺっぺ@エセル * 2008/02/17 09:53 * URL [ 編集] | page top↑
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>>しょーへい
 
たぶんこのブログのテンプレの仕様だと思われる。
ちゃんと元データにはスペースあるよん。
 
俺もageて気づいてたけどどうにも眠くて作業するのやめて寝たんだわwww
そしてもうめんどいからその作業しねぇwwwすまんね!

それと感想ありがとう!
 
 
>>炎のサブマス
 
短歌ありす!
もともと書いてたのが没になってネタ考える時間がなかったので使わせていただきましたwww
 
云うとおり、その辺りのネタはたりませんな。
一応、会の諸事情からできるだけ短くしてくれと云われてたのもあるけど、何よりも原稿締め切り二日前にこの全データ消えて書き直してたから時間なかったんだwww
ちなみにこの原稿あげたの締め切り4分前wwww
実はそれ以上に眠たかったから早く終わらせたかったのがカットした理由だったりするんだが。
 
ともかく、意見とてもありがとう!
あなたはこの手のゲームやら本やらをやたら読んでるだろうし、指摘も的確だから評論家ぐらい自負しても良いと思いますぜ!
by: ふぁ~B * 2008/02/17 18:31 * URL [ 編集] | page top↑
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何この川柳のセンスのよさと文才のよさ。

嫉妬せざるおえない。

そしてちょっぴり心温まるストーリー構成がいいねww
by: はなはな * 2008/02/17 18:35 * URL [ 編集] | page top↑
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>>ハナコ 
 
だからあの短歌はエセルさん考案だと(ry
 
なんかコメントの文章にツッコミたくなったけど褒めてくれたのは十分に伝わった! ありがとう!
 
そしてストーリーに関してはハナコみたいに心温まるって云う人もいるけどOh! 嫉妬! って云う奴もいるんだぜwwww
世の中にはロリコンが多いようです。
by: ふぁ~B * 2008/02/21 18:01 * URL [ 編集] | page top↑
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